ドラッグストアのシャンプー売り場に行くと、数えきれないほどの種類のシャンプーが並んでいます。 高級なサロン専売品、ボタニカル、ダメージ補修特化型…。
そんな激戦区の中で、変わらぬデザインと優しい色合いで、常にそこにあり続ける存在。それが花王の「メリット」です。
・子供の頃、お母さんに洗ってもらった匂い
そんな記憶をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
発売から50年以上。メリットが守り続けてきたのは、単なる髪の汚れを落とす機能だけではありません。 そこには、「家族の笑顔」と「親から子への愛」に寄り添う、深い哲学がありました。
今回は、国民的シャンプー「メリット」がなぜこれほどまでに愛され続けるのか、その理由と進化の歴史を紐解きます。
「フケ・かゆみ」から「家族の優しさ」へ進化の歴史
メリットが誕生したのは、大阪万博が開催された1970年のこと。 当時の日本は、まだ毎日お風呂に入って洗髪する習慣が定着しておらず、多くの人が「フケ・かゆみ」に悩まされていました。
日本初のジンクピリチオン配合
発売当初のメリットは、日本で初めて「ジンクピリチオン(Z-pt)」を配合した、フケ・かゆみを防ぐ薬用シャンプーとして登場しました。
「いいことあるぞ〜、メリット〜♪」という誰もが知るCMソングと共に、日本中の家庭に普及。人々の頭皮環境を劇的に改善した立役者でした。
時代に合わせた「弱酸性」への転換
生活習慣の変化とともに、人々の悩みは「フケ」から「髪や地肌への優しさ」へと変わっていきました。 そこでメリットは大きく舵を切ります。「髪と地肌と同じ弱酸性」というコンセプトの導入です。
赤ちゃんからお年寄りまで、家族みんなが安心して使えるシャンプーへ。 この転換こそが、メリットが「特定の悩みを持つ人のための商品」から「家族みんなの定番」へと進化した決定的な瞬間でした。
ママとパパの愛を形にした「思いやり設計」
メリットが選ばれ続ける最大の理由は、使う人のことを徹底的に考え抜いた「優しさ(愛)の技術」にあります。
ノンシリコーンなのに、きしまない
一般的に、ノンシリコーンシャンプーは「髪がきしむ」「指通りが悪い」というイメージがあります。特に、髪が細い子供や、ダメージが気になる大人の髪には使いにくいものでした。
しかし、メリットは独自の「ダストシールド技術」やリンス成分の配合により、ノンシリコーンでありながら、驚くほどなめらかな指通りを実現しています。
「子供の髪が絡まなくて助かる」「すすぎが早くて楽」 これは、毎日子供をお風呂に入れる親御さんの負担を少しでも減らしたいという、開発者の愛そのものです。
汚れを寄せ付けない「ダストシールド」
子供は外で元気に遊び回り、髪にホコリや花粉をつけて帰ってきます。 メリットには、髪に汚れをつきにくくする「ダストシールド技術」が採用されています。
洗う時だけでなく、洗った後の生活のことまで考える。 一日中、大切な家族を汚れから守りたいという願いが込められています。
「ひとり洗い」デビューを応援するキッズシリーズ
子育て中の家庭にとって、お風呂は戦場でもあります。 「早く洗いなさい!」「目に入った〜!」と泣き叫ぶ子供との格闘。
そんな悩みに応えるために生まれたのが、「メリット 泡で出てくるシャンプーキッズ」です。
子供の「できた!」を育む
まだ泡立てが上手にできない小さな子供でも、最初から泡で出てくるので、自分の力で頭皮までしっかり洗うことができます。 泡切れも非常に良く、サッと流せるので、シャンプー嫌いな子供の克服アイテムとしても絶大な支持を得ています。
「ひとりで洗えたよ!」と誇らしげな子供の顔と、それを見守る親の安堵。 メリットは、子供の自立と成長という、かけがえのない瞬間もサポートしているのです。
家事のストレスをなくす!革新的な「らくらくスイッチ」
家族への愛は、家事をする人への配慮にも表れています。 シャンプーの「詰め替え作業」は、地味ながら非常にストレスの溜まる家事です。こぼしたり、最後まで絞り出せなかったり、容器を洗って乾かしたり…。
そこで花王が開発したのが、業界を震撼させた「スマートホルダー」と「らくらくスイッチ」です。
詰め替えの概念をなくした発明
これは、詰め替え用パック(ラクラクecoパック)に、専用のノズル(らくらくスイッチ)を直接差し込み、ホルダーにセットするだけ。 「詰め替えない」という新しいスタイルを提案しました。
- こぼれる心配ゼロ
- パックの中身を最後の一滴まで真空状態で使い切れる
- ボトル洗浄の手間が不要
- 底がヌメヌメしない吊り下げ収納
「名もなき家事」を減らすことで、親御さんに少しでもゆとりの時間を持ってほしい。 この革新的なパッケージは、現代の忙しい家族に対する、メリットからの最大の「エール」と言えるでしょう。
バスタイムは、家族の絆を深める場所
スマホやゲームの時間が増え、家族が揃って会話する時間が減っている現代。 お風呂は、親子が肌を触れ合わせ、裸の付き合いができる数少ない場所です。
メリットの優しいナチュラルフローラルの香りに包まれながら、
・パパの背中、流してあげる
そんな何気ない会話が生まれます。
メリットが提供しているのは、シャンプーという「モノ」だけではありません。 清潔で心地よい空間を通じて生まれる、「家族の温かなコミュニケーション」という体験価値そのものなのです。
まとめ:変わらない安心感が、そこにある
花王 メリットについて、「家族と愛」という視点から解説しました。
- 時代に合わせて、フケ対策から家族みんなの弱酸性へと進化
- ノンシリコーンでもきしまない、子供にも優しい洗い上がり
- 泡シャンプーで子供の「ひとり洗い」デビューを応援
- らくらくスイッチで、家事の負担を劇的に軽減
おばあちゃんからママへ、ママから子供へ。 世代を超えて受け継がれる「メリット」のバトン。それは、「大切な家族には、安心できるものを使ってほしい」という、変わらぬ愛情の証なのかもしれません。
今夜のバスタイム、改めてボトルの向こう側にある「優しさ」を感じながら、家族との時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

