電気ケトルを新調する際、プラスチック製を避けて「ステンレス」か「ガラス」で迷う方は非常に多いです。
どちらも安全性が高い素材ですが、実際に毎日使うとなると「重さは？」「割れない？」「手入れは？」といった使い勝手の面で大きな違いがあります。
この記事では、長年両方のタイプを使い比べてきた経験から、ステンレス製とガラス製の電気ケトルを「耐久性」と「衛生面・使い勝手」の観点で徹底比較します。
あなたのライフスタイルに合うのはどちらか、選ぶための決定打を提示します。
ちなみに、なぜプラスチック製から買い替える人が増えているのか、その根本的な安全性の理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
ステンレスとガラス、決定的な違いはココ！
まず結論から言うと、それぞれの素材は以下のような人に最適です。
この違いが生まれる理由を、深堀りしていきましょう。
【耐久性比較】圧倒的に強いのはステンレス
毎日使う家電だからこそ、最も気になるのが耐久性です。
ステンレス製の耐久性：一生モノに近い強さ
ステンレス製の最大のメリットは、「物理的な衝撃に強い」ことです。
万が一、水を入れようとしてシンクにぶつけたり、テーブルから落としてしまったりしても、凹むことはあっても割れることはまずありません。
また、ステンレスはサビにくい合金（鉄にクロムなどを混ぜたもの）であるため、水回りでの使用に非常に適しています。安価な製品でない限り、通常の使用で錆びることは稀です。
ガラス製の耐久性：進化しているがリスクはある
最近のガラス製ケトルは「耐熱ガラス」や「強化ガラス」を使用しており、熱湯の温度変化には非常に強くなっています。
しかし、「物理的な衝撃」に対しては、やはりステンレスに劣ります。
特に小さなお子さんがいる家庭では、万が一の転倒時にガラス片が飛び散るリスクを考慮し、ステンレスを選ぶ方が精神的な負担が少ないでしょう。
【衛生面と味の比較】美しさと味はガラスに軍配
「お湯の味」や「清潔さ」にこだわるなら、ガラス製が圧倒的なパフォーマンスを発揮します。
ガラス製の衛生面：汚れが「見える」強み
ガラス製の最大のメリットは、中が丸見えであることです。これは一見デザイン性だけのメリットに思えますが、実は「衛生管理」において最強の機能です。
・水垢（カルキ）が溜まってきた ・万が一、カビや汚れが付着した ・異物が混入した
これらが一目でわかるため、「汚れたらすぐ洗う」という習慣が自然と身につきます。常にピカピカの状態を保ちたい綺麗好きな方には、ガラス製が最も衛生的と言えます。
また、ガラスは「無味無臭」の素材です。プラスチック臭はもちろん、金属特有の金気（かなけ）臭さもお湯に移りません。白湯や繊細な茶葉の香りを楽しみたい方にはベストな選択です。
ステンレス製の衛生面：見えない部分への注意が必要
ステンレスも非常に衛生的な素材であり、雑菌が繁殖しにくい特徴があります。
しかし、中が見えないため、「水垢の蓄積に気づきにくい」というデメリットがあります。
「なんとなくお湯の出が悪くなった」「お湯の味が変わった」と思って中を覗き込んだら、底にびっしりと白いカルキ汚れが溜まっていた……という経験は、ステンレス製ユーザーの「あるある」です。
また、購入直後のステンレス製品は、稀に金属の臭いを感じることがあります。何度か沸騰させれば消えますが、匂いに敏感な方はガラス製の方が無難です。
使い勝手のリアルな違い：重さと熱さ
素材の違いは、日々の「持ち上げる」「注ぐ」という動作にも影響します。
本体の重さ
一般的に、ガラス製の方が本体重量が重くなる傾向があります。
・ステンレス製：薄く加工できるため軽量なモデルが多い。 ・ガラス製：強度を保つためにガラスに厚みが必要で、その分重くなる。
水を満タンに入れると、ガラス製は片手で支えるのが少し重く感じる女性もいるかもしれません。手首への負担を減らしたい場合は、軽量なステンレスモデルや、容量が小さめのガラスモデルを選ぶのがコツです。
本体の熱さ（火傷のリスク）
ここは非常に重要なポイントです。
ステンレス製（一重構造）やガラス製は、お湯を沸かすと本体表面が非常に熱くなります。うっかり触れると火傷をする温度です。
一方で、ステンレス製の中には「二重構造（ダブルウォール）」になっているモデルが多く存在します。
魔法瓶のような構造で、お湯が沸騰しても外側はほんのり温かい程度で触れることができます。
ガラス製でも二重構造のものはありますが、種類が少なく、さらに重くなる傾向があります。
プラスチック製のリスクを避けつつ、どの素材が自分に合うかさらに詳しく知りたい方は、親記事の解説も参考にしてください。
まとめ：あなたにおすすめなのはどっち？
ここまで比較してきたポイントを整理して、最終的な選び方を提案します。
ステンレス製を買うべき人
以下の項目に多く当てはまるなら、ステンレス製（特に二重構造モデル）が幸せになれます。
・子供やペットがいる：割れる心配がなく、二重構造なら火傷リスクも低い。 ・ズボラな性格だ：多少ぶつけても壊れず、汚れが見えないので神経質にならなくて済む。 ・軽さを重視したい：毎日の水汲みや注ぐ動作を楽にしたい。
ガラス製を買うべき人
以下の項目にピンとくるなら、ガラス製を選ぶと満足度が高いです。
・白湯や紅茶をよく飲む：お湯へのにおい移りを絶対に避けたい。 ・清潔感を保ちたい：汚れを目で確認して、常にピカピカに磨き上げたい。 ・インテリアを楽しみたい：お湯がボコボコと沸く様子を眺める癒やしの時間が欲しい。
どちらもプラスチック製に比べれば、環境ホルモンの心配が少なく、長く愛用できる素晴らしい素材です。
「落としても大丈夫な安心感」を取るか、「汚れが見える清潔感と味」を取るか。
あなたの優先順位に合わせて選んでみてください。お気に入りのケトルで沸かしたお湯は、いつものコーヒータイムをより豊かにしてくれますよ。
