アディダスの「Galaxy6(ギャラクシー6)」をはじめ、多くのエントリーモデルに採用されているミッドソール素材「Cloudfoam(クラウドフォーム)」。
「雲の上を歩くような履き心地」と形容されるこの技術ですが、具体的に従来の素材と何が違うのでしょうか?また、柔らかい素材ゆえに気になるのが「耐久性(ヘタリ)」や「寿命」です。
この記事では、ギャラクシー6を支えるCloudfoamの技術的特性を深掘りし、最適な交換時期や寿命を延ばすメンテナンス方法について解説します。
そもそもギャラクシー6自体のサイズ感や全体的な評価を知りたい方は、以下の完全ガイドを先にご覧ください。

Cloudfoam(クラウドフォーム)と一般的なEVA素材の違い
ランニングシューズのミッドソール(クッション材)として最も広く使われているのが「EVA(エチレン酢酸ビニル)」という合成樹脂です。軽量で加工しやすく、衝撃吸収性に優れています。
Cloudfoamは、このEVA素材をアディダス独自の配合で進化させた技術です。
1. 履いた瞬間の「沈み込み」が違う
一般的なEVAミッドソールは、ある程度の反発力を持たせるために少し硬めに設定されることが多いですが、Cloudfoamは「中敷き(インソール)とミッドソールの一体感」を重視して開発されています。
これにより、足を入れた瞬間にムニュッと沈み込むような、ステップ・イン・コンフォート(履いた瞬間の快適さ)を実現しています。これが「雲の上」と表現される所以です。
2. 衝撃吸収から「快適性」へのシフト
競技用シューズに使われる高反発素材(LightstrikeやBoostなど)は「速く走るための反発力」を重視しますが、Cloudfoamは「長く履いても疲れない快適性」に全振りしています。
そのため、ギャラクシー6は本格的なレースよりも、ジョギングやウォーキング、立ち仕事といった日常の足への負担軽減において、最大のパフォーマンスを発揮します。
Cloudfoamの寿命とヘタリ耐性
柔らかいクッション素材を選ぶ際に最も懸念されるのが、「すぐに潰れてクッション性がなくなるのではないか?」という点です。Cloudfoamの耐久性を、期間と距離の目安から解説します。
走行距離の寿命目安:約500km~600km
一般的なランニングシューズの寿命は500km~800kmと言われています。 Cloudfoamは非常に柔らかい素材であるため、高密度で硬いEVAに比べると圧縮による復元力の低下(ヘタリ)はやや早い傾向にあります。
これを超えると、目に見えてミッドソールに「横シワ」が入り、新品時のフワフワ感は減少して「底付き感」が出てきます。
期間の寿命目安:日常使いで約1年
もしギャラクシー6を「毎日の通勤・通学(往復5km程度)」で使用した場合、計算上は以下のようになります。
このペースだと、約半年〜8ヶ月程度でクッションの美味しい期間は終了します。 ただし、激しいランニングに比べてウォーキングや日常使いは衝撃が弱いため、実際には1年〜1年半は問題なく履けるケースがほとんどです。
寿命を縮めるNG行為と延ばすメンテナンス
ギャラクシー6のコストパフォーマンスを最大限に引き出し、Cloudfoamの寿命を延ばすためには、素材の特性に合わせたケアが必要です。
「休足日」を作る(最重要)
Cloudfoamのような発泡素材は、体重による圧縮から元の形に戻るまでに時間がかかります。 毎日同じ靴を履き続けると、素材が完全に復元する前に再び圧縮されるため、「ヘタリ」の進行が劇的に早まります。
加水分解と保管場所
Cloudfoam(EVAベースの素材)は、ポリウレタンほどではありませんが、熱と水分に弱いです。 車のトランクや直射日光の当たるベランダなど、高温多湿な場所に放置すると、素材が硬化したり縮んだりして、本来の機能が失われます。
泥汚れを放置しない
ミッドソールの表面に付着した泥や油分は、素材の劣化を早める原因になります。 ギャラクシー6のミッドソールは溝が多いため汚れが溜まりやすいですが、定期的にブラッシングして汚れを落とすだけでも、素材の柔軟性を保つのに役立ちます。
買い替えのサイン:ここを見れば寿命がわかる
「まだ履けるかな?」と迷ったときは、以下の3点をチェックしてください。これらが現れたら、Cloudfoamの機能的寿命は尽きています。
1. ミッドソールの深いシワ 体重がかかるカカト部分の側面に、細かいシワではなく深く刻まれたような横シワが消えずに残っている場合、クッション性は失われています。
2. アウトソールの磨耗 靴底の黒いラバー(アウトソール)が削れて、中の白いCloudfoam素材が露出してきたら即交換です。グリップ力がなくなるだけでなく、滑って転倒するリスクがあります。
3. 膝や足首の違和感 見た目がきれいでも、
・足裏が疲れる
と感じるようになったら、内部でクッションが死んでいます。怪我をする前に買い替えを検討してください。
まとめ:Cloudfoamはコスパ最強の日常クッション
Cloudfoamは、高価なレース用シューズのような反発力や超耐久性はありません。しかし、「低価格で、日常を快適にする圧倒的な柔らかさ」という点において、非常に優れた技術です。
ギャラクシー6のコストパフォーマンスを考えると、ヘタリを感じたら惜しみなく新しいモデルに買い替えられるのも大きなメリットと言えるでしょう。
適切なローテーションを守って、雲の上を歩くような快適さを長く楽しんでください。
