ドラム式洗濯機や大型冷蔵庫、あるいは有機ELテレビといった高額家電を購入する際、誰もが一度は頭を抱えるのが「延長保証」の存在です。
・ビックカメラとヨドバシカメラ、ポイント還元率は同じでも、いざ壊れた時の対応に差はあるの?
実は、表面上のポイント還元率が似ていても、この「保証内容」には驚くほど大きな差が存在します。
特に、故障時に保証金額が減額される「減価償却」の有無や、修理不能と判断された際の「全損対応」は、知らずに契約すると後で痛い目を見ることになりかねません。
この記事では、親記事では触れきれなかった保証規定の深層部分にメスを入れ、あなたが購入しようとしているその家電にとって、どちらの保証が真の安心を提供してくれるのかを徹底的に分析します。
まずは、ビックカメラとヨドバシカメラの基本的な選び方や価格差について知りたい方は、以下の親記事を参考にしてください。
ヨドバシカメラとビックカメラを徹底比較!どちらがあなたに最適?

決定的な違いは「保証上限額の推移」にある
まず、両社の延長保証を比較する上で最も重要、かつ見落としがちなのが「経年による保証限度額の低下」です。
家電は長く使えば使うほど故障のリスクが上がりますが、その「壊れやすくなった時期」にどれだけの保証が残っているかが勝負の分かれ目となります。
実は、これがヨドバシカメラの保証における最大の注意点です。
ヨドバシカメラ:年々「目減り」する保証額
ヨドバシカメラの「ゴールドポイントワランティ」は、購入金額の5%分のポイントを使用(または支払い)することで加入できます。
しかし、この保証の最大の特徴は、経過年数とともに保証限度額が低下するという点です。
例えば、20万円の冷蔵庫を購入して5年目に故障した場合、保証される修理金額の上限は「10万円(50%)」まで下がります。もし修理見積もりが12万円だった場合、差額の2万円は自己負担となります。
さらに厳しいのが、期間中に一度でも保証を使って修理をすると、その時点で保証契約が「終了」するケースが多い点です(修理代金が保証限度額を超えた場合など、条件による)。これは「使い切り」の性格が強いと言えます。
ビックカメラ:最後まで「100%」を維持する強さ
対してビックカメラの「長期保証」は、内容において非常に強力です。
対象商品(主に冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの大型白物家電)において、ビックカメラは保証期間中ずっと購入金額の80%~100%の保証限度額を維持します(※商品カテゴリーやプランにより異なりますが、白物家電の多くは減額なし、または緩やかです)。
特に注目すべきは、修理回数の制限です。 ビックカメラの長期保証(白物家電)は、保証期間中であれば「何回でも」修理を受けることができ、さらに修理金額の累積もしません。
「全損」と「免責金額」の落とし穴
親記事でも少し触れられていた「全損保証」や「免責金額」について、さらに深掘りしていきましょう。ここはパソコンやカメラ、ゲーム機などを購入する際に極めて重要なポイントです。
ビックカメラのパソコン・デジタル機器保証
ビックカメラには、通常の長期保証とは別に、パソコンやスマートフォンなどを対象とした特定の保証プランが存在します。ここでキーワードとなるのが「免責金」です。
一部のプランや商品カテゴリーでは、修理時に「自己負担金(免責)」が発生する場合があります。
- 免責金額の例: 修理にかかる費用のうち、最初の「3,000円」や「5,000円」、あるいは「10,000円」をユーザーが負担し、残りをビックカメラが保証する仕組み。
しかし、ビックカメラが強いのは「全損」時の対応です。
修理金額が製品の購入金額を上回ってしまった場合(全損扱い)、多くの家電量販店では「保証上限額までのポイントバック」などで対応を終わらせることがありますが、ビックカメラの一部の保証では「代替品」の提供をもって対応完了とするなど、現物復帰を優先してくれる場合があります。
※現在、規約は頻繁に改定されているため、加入時に「代替品提供か、ポイント返還か」を必ず確認してください。
ヨドバシカメラの「全損」リスク
ヨドバシカメラの場合、前述の通り保証額が年々下がっていきます。 そのため、3年目や4年目に高額な部品交換(液晶パネルやメイン基板など)が必要になると、容易に「修理見積もり額 > 現在の保証限度額」という状態になり、実質的な全損(保証オーバー)となります。
この場合、超過分を現金で支払って修理するか、修理を諦めるかの二択を迫られます。そして、保証限度額を使い切った時点で、その後の保証期間が残っていても契約は終了します。
対象品目による「得意・不得意」の比較
では、具体的に「何を買う時にどちらを選ぶべきか」をシミュレーションしてみましょう。
1. 大型白物家電(冷蔵庫・洗濯機・エアコン)
結論:ビックカメラの圧勝
これらは一度設置したら動かさないため「落下」などの事故リスクは低く、「自然故障」のリスクがメインです。かつ、10年近く使用するものです。 期間中ずっと保証額が下がらず、回数無制限で修理できるビックカメラの長期保証が圧倒的に有利です。特にエアコンやドラム式洗濯機は修理代が高額になりがちなので、ヨドバシの減額方式はリスクが高すぎます。
2. パソコン・タブレット・ゲーム機
結論:ケースバイケースだがビックカメラがやや優勢
持ち運ぶものは「自然故障」よりも「落下・水濡れ」のリスクがあります。 通常の延長保証は「自然故障(内部的な不具合)」のみが対象で、落下や水没は対象外であることがほとんどです。
しかし、ビックカメラには「月額制」や特定のオプションで物損(落下等)までカバーするプランを用意している場合があります(ビックカメラ Suicaカード会員向けの特典など)。 ヨドバシカメラの通常の延長保証は、基本的に「自然故障」のみが対象であり、落下破損には対応できません。
3. 一眼レフカメラ・レンズ
結論:専門店の検討も必要
カメラに関しては、両社とも「自然故障」への対応がメインとなります。 しかし、カメラは落下リスクが非常に高い製品です。もし「落下による破損」まで保証したいのであれば、家電量販店ではなく、カメラ専門店(マップカメラやキタムラなど)の「完全補償プラン」を検討する方が賢明かもしれません。
ただ、量販店で選ぶならば、やはり「保証額が減らない」ビックカメラの方が、長く使うレンズなどには安心感があります。
保証加入の手続きとポイントの扱い
最後に、加入のしやすさとポイントの扱いについて触れておきます。
ポイント充当か、現金払いか
ヨドバシカメラ 購入時に付与されるポイントの5%分を充当して加入。
どちらも「実質的にポイントを使って加入する」形になりますが、ここで注意すべきは「修理時の送料」です。
大型家電(出張修理)の場合は関係ありませんが、掃除機や炊飯器などの「持込修理」対象品の場合、店舗に持ち込む手間が発生します。 ヨドバシカメラは「引取修理」のサービスも充実していますが、保証規定内での送料負担がどうなっているかは商品によります。
一方、ビックカメラグループ(コジマ・ソフマップ含む)は店舗網が広いため、近隣に店舗があれば持ち込みやすいというメリットもあります。
延長保証をつけるような高額家電を購入する際、支払い方法を間違えると数千円〜数万円分のポイントを損してしまう可能性があります。保証料も含めたトータルコストを下げるための「最適な決済手段」については、以下の記事でシミュレーションしています。
まとめ:高額家電の「安心」を買うならビックカメラ
延長保証の規定書(約款)は細かい文字で書かれており、購入時に全てを理解するのは困難です。しかし、ここまで深掘りしてきた通り、構造的な違いは明白です。
ヨドバシカメラは「日用品の配送スピード」や「品揃え」では素晴らしい企業ですが、延長保証のシステムに関しては、旧来の「減価償却型」を採用しており、現在の家電の寿命や修理コストの高騰に対応しきれていない側面があります。
「壊れた時に、自己負担なしで直したい」
そう願うのであれば、購入時のポイントを少し削ってでも、ビックカメラの手厚い保証に加入することをおすすめします。あなたの家電ライフが、故障の不安から解放されることを願っています。

