クリーピングタイムのデメリットとは?庭への植栽前に知っておくべきこと!

クリーピングタイムのデメリットとは?庭への植栽前に知っておくべきこと! 暮らし
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クリーピングタイムは、その魅力的な花や香りが評判の植物で、多くのガーデニングショップでも「簡単に育てられる」と宣伝されています。

そのため、自宅の庭にこの植物を取り入れようと考えている方々が増えています。

ですが、意外と知られていないクリーピングタイムの幾つかの問題点が存在し、これらを知らずに植えると、後々後悔することになるかもしれません。

この記事では、なぜ庭にクリーピングタイムを植えるべきでないのか、そのデメリットに焦点を当ててご説明します。是非、植栽を検討する際の参考にしてください。

クリーピングタイムの生態とその魅力

クリーピングタイムは多年生の植物で、地面に沿って広がる成長形態を持っています。通常、高さは5センチメートルから10センチメートル程度にとどまり、植え付け後は周囲に自然と広がりを見せます。

その独特の広がりやすい性質から、雑草が生えにくいグラウンドカバーとしても活用されることがあります。

タイムには主に二つのタイプがあります。一つは縦に伸びるコモンタイム、もう一つは地面を這うように広がるクリーピングタイムです。

コモンタイムとクリーピングタイムの違いと使い道

コモンタイム(Common Thyme)とクリーピングタイム(Creeping Thyme)は、シソ科に属する多年草で、それぞれが異なる特性と用途を持っています。

コモンタイムの概要
学名:Thymus vulgaris
成長形態:直立または半直立、高さは15cmから30cm程度。
葉の特徴:小さくて硬い、一般に緑色。
花:紫色やピンク色の小花が咲きます。
用途:料理で広く利用され、特に肉料理やスープ、煮込み料理に適しています。
耐寒性:比較的強い。
土壌:排水性の良い土を好む。

クリーピングタイムの概要
学名:Thymus serpyllum
成長形態:地面を這うように広がり、高さは5cmから10cm程度。
葉の特徴:小さくて柔らかい、青緑色。
花:紫色、ピンク色、または白色の小花が地面を彩ります。
用途:主に園芸や地被植物として使われ、一部は料理にも適用可能。
耐寒性:強く、様々な気候に適応します。
土壌:排水性の良い土を好む。

両者は似た環境で育つものの、見た目と使い道において大きな違いがあります。

コモンタイムは主に料理に、クリーピングタイムは主に園芸や地被としての利用が一般的です。

クリーピングタイムの植栽で後悔する5つの理由

クリーピングタイム、その中でもワイルドタイムやレイタータイム、ロンギカウリスタイムなどは、園芸店やホームセンターで容易に入手可能です。

この植物は育てやすいとされていますが、庭に植えた後に思わぬ問題を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

・成長力が非常に強い
・意外にも枯れやすい
・木質化と見た目の問題
・寿命が意外に短い
・維持管理の手間

成長力が非常に強い

クリーピングタイムは非常に活発に成長する植物で、庭に導入すると、短時間で周囲に広がる特性を持っています。

この急速な拡散は、他の植物が必要とする生育スペースを奪い、庭の全体的な調和を損ねることがあります。特に成長速度が遅い植物や繁殖力に劣る植物がその近辺に位置する場合、その影響は一層大きくなります。

雑草対策としてクリーピングタイムを使用する場合、この植物が雑草だけでなく、その他の植物にも強い影響を与える可能性があることを十分に理解し、慎重に植栽を行うことが重要です。

意外にも枯れやすい

クリーピングタイムは、一見丈夫そうで、グランドカバーにもよく使われる植物ですが、意外と枯れてしまうことがあります。

その理由は、以下の3つに集約されます。

・高温多湿に弱い
・寒さに弱い
・土壌の酸性化

高温多湿に弱い

クリーピングタイムは、地中海沿岸原産のハーブで、乾燥した気候を好みます。日本の梅雨や夏の高温多湿は、クリーピングタイムにとって苦手な環境です。

茎や葉が密集した状態だと、風通しが悪くなり、蒸れてしまいます。特に、梅雨時期の長雨や、水やりをしすぎると、根腐れを起こしやすくなります。

高温多湿の環境では、うどんこ病などの病気が発生しやすくなりますので、水はけのよい土壌に植えることで、根腐れを防ぎます。

さらに、日当たりが良く、風通しの良い場所に植えるようにしましょう。梅雨前には、茎を1/3〜半分程度刈り込み、風通しを良くします。

植え付け時以外は、基本的に雨水で十分です。土の表面が乾いてから水やりをするようにしましょう。

寒さに弱い

クリーピングタイムは、耐寒性がある程度ありますが、寒すぎる場所や霜に当たると枯れてしまうことがあります。特に、幼苗や鉢植えの場合は注意が必要です。

土壌の酸性化

クリーピングタイムは、弱アルカリ性の土壌を好みます。日本の土壌は酸性になりやすいので、そのまま植えると生育が悪くなることがあります。

木質化と見た目の問題

クリーピングタイムを長く育てると、株元が徐々に茶色く変色し、木のように硬くなっていきます。

この木質化現象により、該当部分には葉が生えず、茶色い茎がむき出しになり、スカスカの見た目になることがあります。このような状態が広がると、植物の美観が損なわれるため、適切な管理が求められます。

寿命が意外に短い

クリーピングタイムは、多年草なので本来は数年生きる植物ですが、環境によっては短命になってしまうことがあります。

その理由は、先ほどお伝えした「枯れやすい理由」と重なります。

日本の夏の高温多湿は、クリーピングタイムにとって過酷な環境です。蒸れや根腐れを起こしやすく、病害虫にもかかりやすくなります。

寒すぎる場所や霜に当たると、枯れてしまうことがあります。酸性土壌では生育が悪くなり、寿命が短くなる可能性があります。

さらに、肥料を与えすぎると、かえって生育が悪くなることがあります。しかも、剪定をしないと、風通しが悪くなり、蒸れの原因になります。また、古い枝が残り、株が弱ってしまうこともあります。

これらの要因が重なることで、クリーピングタイムの寿命が短くなってしまうと考えられます。

維持管理の手間

クリーピングタイムは特に春から夏にかけて急激に成長し、広がる性質を持っています。そのため、この植物を適切に管理するには定期的な剪定が不可欠です。

適切な剪定を行わないと、他の植物に悪影響を及ぼすだけでなく、見た目の美しさも失われてしまいます。この植物の美観と健康を維持するためには、一定の労力を割く必要があります。

クリーピングタイムを植える前に考慮すべき点

クリーピングタイムを雑草の抑制目的で植えようとしている場合は、一度立ち止まって考えてみることをお勧めします。

予想外に、草むしりを行う時間が、クリーピングタイムの維持管理に費やされることになるかもしれません。本来の目的を見失わず、問題の根本を解決するアプローチが重要です。

もし雑草の手間を減らしたいと思っているなら、庭のリフォームを検討するのも一つの方法です。雑草が生えにくく、スタイリッシュな庭への改造によって、ガーデニングの楽しさがさらに増すことでしょう。

クリーピングタイムの繁殖方法

クリーピングタイムを増やすには、「株分け」「挿し木」「種まき」という3つの方法があります。

クリーピングタイムの株分けについて

株分けに適した時期は春季、具体的には3月から5月の間です。鉢植えをしている場合、植え替えの時に株を分け、新しい鉢に移植することで、健康的に増やすことができます。

クリーピングタイムの挿し木方法

挿し木は、成長が活発な5月や成長期の終わりにあたる9月が適しています。挿し木をする際は、剪定した10cm程度の茎を水に数日間浸しておくことから始めます。その後、清潔な土に植え、根が張るまで直射日光を避けて管理します。種まきと同様に、土の乾燥には注意が必要です。

クリーピングタイムの育てて、花や収穫を楽しもう!

クリーピングタイムは、可愛らしい花と芳香を楽しむことができる、育てやすいハーブです。グランドカバーとしても人気がありますね。

基本的な育て方を、ポイントごとにわかりやすく説明します。

植え付け

植え付けの時期は、「3~5月、9~10月」が適期です。

植え付けの場所は、日当たりと風通しの良い場所を選びましょう。

土壌は、水はけのよい土を好みます。市販のハーブ用培養土を使うか、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土を使用しましょう。

植え方は、ポット苗の場合は、根鉢を崩さずに植え付けます。地植えの場合は、株間を20~30cmほど空けて植え付けましょう。

水やり

植え付け時以外は、基本的に雨水で十分です。乾燥が続く場合は、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。

肥料

地植えは、あまり必要ありません。生育が悪い場合は、春と秋に緩効性肥料を少量与えましょう。

鉢植えは、植え付け時に緩効性肥料を混ぜ込んでおきます。その後は、生育を見ながら、春と秋に液体肥料を月に1~2回与えましょう。

剪定

選定の時期は、梅雨前と9月頃が適期です。選定方法は、茎を1/3~半分程度刈り込みます。風通しを良くすることで、蒸れや病気を防ぎます。

冬越し

関東から南では、屋外で冬越しできます。寒冷地では、霜よけをするか、鉢植えの場合は軒下など寒風の当たらない場所に移動させましょう。

病害虫

うどんこ病は、葉に白い粉状のカビが発生します。風通しを良くし、発生初期に薬剤を散布しましょう。

アブラムシは、新芽や茎に寄生します。見つけ次第、駆除しましょう。

ナメクジは、葉や茎を食べます。夜間に活動するので、見つけ次第駆除するか、薬剤を散布しましょう

その他

クリーピングタイムは、木質化しやすい植物です。定期的に剪定することで、新しい枝を伸ばし、株を若々しく保ちましょう。

茎が地面につくと、そこから根が出て広がっていきます。グランドカバーとして利用する場合は、広がりすぎないように注意しましょう。

楽しみ方

庭や花壇のグランドカバーとして、地面を覆うように広がり、雑草防止にもなります。寄せ植えは。他のハーブや花と組み合わせると、彩り豊かになります。

ハンギングバスケットに吊り下げて楽しむこともでき、ハーブティーのリラックス効果や消化促進効果が期待できます。さらに、肉料理や魚料理の香り付け、スープやソースの風味付けに利用できます。

クリーピングタイムは、比較的育てやすいハーブですが、高温多湿に弱いという特徴があります。

水やりや風通し、剪定などに気を配り、適切な管理をしてあげれば、元気に育ち、長く楽しむことができます。

まとめ

クリーピングタイムは、魅力的な花と香りで知られる多年生植物です。この植物は地面に沿って広がる性質があり、一般に高さは5cmから10cm程度です。

ガーデニングショップでは「簡単に育てられる」と宣伝されていますが、実際にはいくつかの注意点があります。特に、その強い繁殖力は庭の他の植物の生育スペースを侵すことがあるため、植える際には慎重な計画が必要です。

また、クリーピングタイムは枯れやすいという側面も持ち合わせており、見た目の問題や維持管理の手間がかかることも考慮する必要があります。

この植物の利用方法としては、料理に使うコモンタイムと異なり、主に園芸や地被植物として使われることが一般的です。

クリーピングタイムの管理には定期的な剪定や適切な水やりが求められ、植栽前にはその生態と維持に必要な労力を理解しておくことが大切です。

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