Apple製品をオンラインで注文し、配送状況を確認すると表示される「ADSC支店」の文字。「発送済み」になったけれど、そこから自分の住んでいる地域まで具体的に何日かかるのか?特に北海道、沖縄、離島にお住まいの方は、航空便の可否や天候による遅延リスクが気になるところです。
本記事では、ADSC支店(東京都江東区有明)を出発してから、全国各地へ届くまでの正確な日数を、物流の仕組みとリチウムイオンバッテリーによる航空規制の観点から深掘りして解説します。
まだADSC支店の基本的な役割や、発送から到着までの全体的な流れを把握していない方は、以下の完全解説記事を先にご覧いただくと、より理解が深まります。
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ADSC支店(東京)からの標準的な配送日数マップ
ADSC支店は、ヤマト運輸の「新東京ベース」と同じ建物(または隣接エリア)に位置しており、物流のハブとしては最強の立地にあります。ここを通過(発送)した後、各地域のヤマト運輸ベース店を経由して配達されます。
まずは、トラブルや航空規制がかからなかった場合の標準的な所要日数を見てみましょう。
本州・四国エリア:翌日~翌々日
- 関東・甲信越・南東北・東海・北陸・関西
基本的にはADSC通過の翌日に到着します。物流の大動脈であるため、台風や大雪がない限り遅延はほぼありません。 - 中国・四国・北東北(青森・秋田・岩手)
一部地域を除き、翌日の午後〜翌々日には到着します。
北海道・九州エリア:翌々日(2日後)
航空便を利用する距離ですが、順調であれば発送から2日後に手元に届きます。
- 北海道:羽田空港→新千歳空港を経由し、札幌ベースなどを通って配送されます。
- 九州:羽田空港→福岡空港などを経由します。
沖縄・離島エリア:3日〜7日以上
最も変動が大きいエリアです。航空便に乗れば3日程度ですが、後述するバッテリー規制により船便(陸送扱い)に切り替わった場合、1週間近くかかることがあります。
【要注意】Apple製品と「航空機搭載制限」の壁
遠隔地への配送で最も重要なのが、「飛行機に乗せられるかどうか」です。iPhone、iPad、MacBookなど、Apple製品のすべてにリチウムイオンバッテリーが内蔵されています。
「航空輸送禁止」になるパターンとは?
基本的に新品のApple製品は、適切な梱包がされているため航空輸送が可能です。しかし、以下の条件やヤマト運輸の判断により、安全のために陸送・フェリー輸送(トラック・船)へ切り替わるケースがあります。
- 複数のデバイスを同梱している場合:リチウム電池の総容量や個数が規定を超える可能性がある場合。
- 大型のMacBook Proなど:バッテリー容量が大きい製品の場合。
- X線検査での保留:空港の貨物検査で中身の確認に時間がかかった場合、安全策として陸送に回されることがあります。
もし陸送に切り替わった場合、追跡ステータス上の動きが数日間止まったように見えますが、実際にはトラックやフェリーで長距離移動中です。
地域別深掘り:北海道・沖縄・離島のリアルな到着事情
ここでは、特に配送日数が読みづらいエリアに特化して解説します。
北海道:冬場の「雪」と中継ベースの罠
北海道は通常「翌々日」到着ですが、冬場は新千歳空港の閉鎖や、道内の高速道路通行止めにより、プラス1〜2日の遅延が頻発します。
また、札幌市外や道北・道東エリアの場合、道内のベース店(札幌ベース等)を通過してからさらに陸送で時間がかかるため、ADSC通過から3日後になることも珍しくありません。
沖縄県:最大の難関「陸送切り替え」
沖縄県への配送は、通常であれば航空便で「3日程度」です。しかし、伝票の品名記載やX線検査で「航空搭載不可」と判断されると、東京(有明)から鹿児島までトラックで走り、そこからフェリーで那覇へ向かうルートになります。
この「陸送+船便」ルートになった場合、ADSC支店通過から到着まで5〜7日(約1週間)かかります。追跡ステータスが数日間更新されなくても、気長に待つ必要があります。
ヤマト運輸の追跡で「陸送」を見分ける方法
クロネコヤマトの荷物お問い合わせシステムで、詳細な経過を見た際に、中継地点の通過に不自然な空白期間(2日以上動きがない)がある場合は、陸送・船便になっている可能性が高いです。
離島(伊豆諸島・小笠原諸島・鹿児島離島など)
これらの地域は基本的に「船便」です。天候による欠航の影響をダイレクトに受けます。
- 伊豆諸島:ADSC通過から2〜3日程度。
- 小笠原諸島:週に1便程度の「おがさわら丸」の運行スケジュールに依存するため、タイミングによっては到着まで1週間以上かかります。
- 鹿児島離島(奄美など):航空便が使える場合もありますが、船便経由だと鹿児島からさらに日数を要します。
ステータスが「作業店通過」から動かない時の心構え
ADSC支店を通過した後、「作業店通過」や「羽田クロノゲートベース」などで表示が止まっている場合、それは多くの場合「長距離移動中」です。
特に北海道・九州・沖縄宛の荷物は、一度ベースを出ると次の地域のベースに到着するまでスキャンされません。動かないからといって紛失したわけではないのでご安心ください。
より詳細なステータスの意味や、万が一の問い合わせ先については、以下の親記事で詳しく解説しています。

