何度声をかけても子どもが動かないと、
・何回言えば分かるの?
と強く言いたくなることがあります。
しかし、子どもが言うことを聞かないように見えるときも、わざと親を困らせているとは限りません。
・指示が曖昧で何をすればよいか分からない
自分で決めたいなど、行動できない理由はさまざまです。
大切なのは、声を大きくする前に「伝わる条件がそろっているか」を確認することです。
この記事では、子どもが言うことを聞かない理由と、具体的な対応、日常で使える声かけ例を紹介します。
子どもが言うことを聞かないのはなぜ?
子どもが言うことを聞かないように見える理由は、年齢、場面、体調によって変わります。最初から「反抗している」と決めつけず、行動できない原因を探してみましょう。
よくある理由は次のとおりです。
- 遊びや動画に集中し、声が意識に入っていない
- 「ちゃんとして」などの言葉が曖昧で、することが分からない
- 複数の指示を一度に受け、順番を整理できない
- 疲れ、眠気、空腹などで切り替えにくい
- 自分で決めたい気持ちが強くなっている
- 失敗しそうで、始めることをためらっている
幼児は、遊びから着替えへ気持ちをすぐに切り替えることが難しい場合があります。小学生になると、理由を納得してから動きたい、自分の予定を優先したいという気持ちも育ちます。
同じ子どもでも、機嫌のよい休日にはできるのに、眠い朝にはできないことがあります。
同じことができる日と難しい日があるなら、声をかけるタイミングや疲れ、周囲の環境なども影響している可能性があります。
子どもが言うことを聞かないときの対応
してほしい行動を具体的に伝える
「早くして」「ちゃんとして」「いい加減にして」は、大人には意味が通じても、子どもには次の行動が見えにくい言葉です。
今してほしいことを、目に見える動作へ置き換えます。
- 「早くして」→「靴下を履こう」
- 「片付けて」→「積み木を青い箱に入れよう」
- 「ちゃんと座って」→「椅子にお尻をつけよう」
- 「準備して」→「連絡帳をランドセルに入れよう」
否定だけで終わらせず、代わりにしてほしい行動を伝えるのもポイントです。「走らない」だけではなく「ここでは歩こう」と言えば、子どもが選ぶ行動が明確になります。
一度に一つだけ伝える
「着替えて、歯を磨いて、ランドセルを持ってきて」と続けて言うと、最初の指示を忘れたり、どこから始めるか迷ったりします。
親には簡単に見える朝の準備も、子どもにとっては複数の判断が必要です。服を選ぶ、前後を確かめる、ボタンを留めるといった細かな作業があります。指示を分けると、つまずいている場所も見つけやすくなります。
子どもが聞ける状態になってから話す
別の部屋から何度も呼ぶより、子どもの近くへ行き、名前を呼んでから短く伝えます。テレビや動画を見ているなら、一時停止できる場面を作ります。
目を合わせることを強制する必要はありません。顔や体がこちらを向いた、返事をした、遊ぶ手が止まったなど、話を受け取れる状態になったことを確かめましょう。
急ぎでなければ、「その積み木を置いたら話すね」と区切りを待つ方法もあります。集中を突然断ち切られる不快感が減り、次の行動へ移りやすくなります。
子どもの気持ちや理由を確認する
動かない子どもへ指示を重ねる前に、「まだ遊びたい?」「難しいところがある?」と尋ねます。
子どもが理由を説明できないときは、「眠い?」「手伝ってほしい?」と答えやすい候補を出してもよいでしょう。ただし、問い詰めるように何度も聞かず、様子を見る余白も残します。
子どもが選べる選択肢を示す
何でも自由に決めてもらうのではなく、親が受け入れられる二つの選択肢を示します。
- 「自分で着る?手伝ってもらう?」
- 「歯磨きと着替え、どちらからする?」
- 「今片付ける?この遊びをあと1回したら片付ける?」
どちらを選んでも必要な行動につながる内容にすることが大切です。「片付ける?片付けない?」では、片付けない選択を認められないため、親子とも困ってしまいます。
何度言っても行動しないときに見直すこと
| 確認すること | 見直し方 |
|---|---|
| 指示が難しくないか | 最初の一歩だけ一緒に行う |
| 言葉が多すぎないか | 一文を短くして一つずつ伝える |
| 切り替える時間があるか | 5分前などに予告する |
| 物の場所が分かるか | 置き場所を固定し、見えるようにする |
| 疲れや空腹がないか | 休憩を取る必要に応じて食事や間食の時間を見直す |
毎日同じ場面で止まるなら、声かけだけで解決しようとせず、仕組みを変えます。朝に服を選べないなら前夜に二組出す、持ち物を忘れるなら玄関近くへまとめるなど、迷う回数を減らしましょう。
頼んだ行動が子どもの年齢や発達に合っているかも大切です。できないことを怠けと決めつけず、どこまでなら一人ででき、どこから手伝いが必要かを観察します。
子どもに伝わりやすい声かけ例
声かけは、短く、具体的に、次の行動が分かる形にします。
片付けるとき
着替えるとき
「いつまでパジャマなの?」ではなく、「シャツとズボン、どちらから着る?」と尋ねます。自分で選びたい子には、着る服を二組だけ見せます。
食事を始めるとき
「遊んでいないで食べて」ではなく、「積み木をここに置いたら椅子へ行こう」と、遊びの終わりと次の行動をつなげます。
外出準備をするとき
「置いていくよ」と不安にさせるより、「あと5分で出るよ。靴下を履こう」と予告と具体的な行動を伝えます。
宿題を始めるとき
「早く宿題をしなさい」ではなく、「何時から始める?」「算数と国語、どちらからする?」と開始時刻や順番を決めます。決めた後も始めにくそうなら、机を整えるところまで一緒に行います。
子どもが言うことを聞かないときに避けたい対応
親も急いでいると、強い方法で動かしたくなります。しかし、怖がらせることが中心になると、子どもは何を直せばよいか理解しにくくなります。
- 離れた場所から同じ言葉を大声で繰り返す
- 「悪い子」「だらしない」など人格を否定する
- きょうだいや友達と比べる
- 過去の失敗まで持ち出して長く説教する
- 守るつもりのない罰や約束で脅す
安全に関わる場面では、穏やかに言い聞かせることより、まず行動を止めることを優先します。道路への飛び出しなら体を支えて安全な場所へ移し、「車が来るから止まる」と短く伝えます。
イライラが強くなってきたときは、説明を続ける前に親自身が落ち着くことも必要です。具体的な方法は子育てでイライラしたときの対処法で紹介しています。

子どもが言うことを聞かないときの対応まとめ
子どもが動かないときは、わざと困らせていると決めつけず、声が届いているか、指示の意味が分かるか、疲れていないかを確認しましょう。
それでも難しい日は、準備を減らしたり最初だけ手伝ったりして構いません。大切なのは、一度の声かけで必ず動かすことではなく、親子が衝突しにくい伝え方と環境を見つけることです。
怒らずに伝える基本をまとめて確認したい人は、子育てで怒らない方法7選も参考にしてください。

