子どもに強く怒った後、「傷つけてしまったかもしれない」「今さら謝っても遅いのでは」と苦しくなることがあります。
怒ってしまった出来事をなかったことにはできません。それでも、親が落ち着いて謝り、本当に伝えたかったことを話し直すことで、子どもへ「関係を直す方法」を見せられます。
この記事では、子どもに怒ってしまった後のフォロー方法を順番に説明し、状況に合わせた謝り方や声かけ例も紹介します。
子どもに怒ってしまった後はフォローが大切
感情的に怒った後、気まずさから何も話さず普段どおりに戻ると、子どもは「まだ怒っているのかな」「自分のことが嫌いになったのかな」と不安になる場合があります。
フォローは、子どもの行動をすべて認めたり、必要な注意を取り消したりすることではありません。「大声を出したこと」と「危険な行動を止めたかったこと」を分けて話します。
たとえば、道路へ飛び出した子どもへ怒鳴った場合は、「大きな声で怖がらせてごめんね」と伝えたうえで、「車にぶつかるのが心配だった。道路の前では止まろう」と話し直します。
親も失敗したら謝り、伝え方を変えられる姿を見せることは、関係を弱くする行動ではありません。間違えた後にどう直すかを、親子で経験する機会になります。
子どもに怒ってしまった後のフォロー方法
怒った勢いが残ったまま話し合うと、説明の途中で再び感情的になることがあります。次の順番を目安に、親子が落ち着いてから少しずつ話しましょう。
まず親自身が落ち着く
別室へ移る場合は、子どもを危険な場所へ残さず、「少し落ち着いてから話すね」と伝えます。何も言わずに長時間離れると、無視されたように感じることがあるため、短い言葉を添えましょう。
落ち着いたか迷うときは、同じ出来事を思い出しても声を荒らげずに話せるかを目安にします。まだ怒りが強いなら、その場で結論を出さず、もう少し時間を置いて構いません。
怒りすぎた部分について謝る
謝る内容を具体的にします。
- 「大きな声を出してごめんね」
- 「怖い言い方をしてごめんね」
- 「あなたの話を聞かずに決めつけてごめんね」
「でも、あなたが言うことを聞かなかったから」と続けると、謝罪が子どもへの責任追及に変わります。謝る場面では、親が直したい言い方や態度だけを伝えます。
本当に伝えたかったことを話し直す
謝った後で、注意した理由を短く伝えます。
「怒鳴りたかったのではなく、道路へ出て車にぶつかるのが怖かった」「おもちゃを投げると、きょうだいに当たることを伝えたかった」と、問題となった行動と理由を整理します。
一度に多くの約束を増やさず、次にしてほしい行動を一つ示します。「道路の前では手をつなぐ」「投げたいときはボールを使う」など、子どもが実行できる言葉にしましょう。
子どもの気持ちを否定せずに聞く
親の説明だけで終わらせず、「どんな気持ちだった?」「怖かった?」と尋ねます。
子どもが「嫌だった」「お母さんなんて嫌い」と答えても、すぐに言い返す必要はありません。「怖かったんだね」「嫌な気持ちになったんだね」と、話してくれた気持ちを受け止めます。
話し終わったら普段どおり接する
話し合いが終わった後まで冷たい態度を続けたり、何度も出来事を蒸し返したりしません。食事をする、絵本を読む、いつもの会話をするなど、普段の生活へ戻ります。
子どもが近づいてきたら、抱きしめる、隣に座るなど、その子が安心できる方法で応じます。触れられることを嫌がるときは無理に抱かず、そばにいることを言葉で伝えます。
子どもに謝るときの声かけ例
謝罪は長く説明するより、何について謝るのかを分かりやすく伝えます。
朝の支度で怒鳴ったとき
「早くしてと大きな声で何度も言ってごめんね。遅れそうで焦っていたよ。明日は着る服を一緒に決めておこう」
親が焦っていた理由を話しつつ、子どものせいだけにせず、次の工夫まで伝えます。
危険な行動をしたとき
謝っても、危険を止めるルールは変えません。
話を聞かずに決めつけたとき
「あなたの話を聞く前に怒ってごめんね。何があったのか、今から聞かせてくれる?」
親の判断が違っていた可能性を認め、子どもが説明できる時間を作ります。
きょうだいと比べたとき
「お姉ちゃんと比べる言い方をしてごめんね。比べずに、あなたにしてほしいことを伝えるべきだったよ」
比較された悔しさを打ち消そうとせず、親が次に変える行動を明確にします。
子どもに謝ると親の威厳がなくなる?
親が謝ると、子どもになめられるのではないかと心配する人もいます。しかし、謝るのは家庭のルールを撤回することではなく、親の不適切な言い方を認めることです。
「たたくことを止めたのは間違っていない。でも、あなたを悪い子と言ったのはよくなかった。ごめんね」と分けて伝えれば、守るべきことは残せます。
ただし、同じ怒鳴り方を繰り返し、毎回謝るだけでは負担の原因が残ります。謝罪とあわせて、時間の使い方や声かけ、親の休息も見直しましょう。
怒った後に避けたい対応
フォローするときは、次のような対応を避けます。
- 長時間無視して、子どもから謝るまで話さない
- 親が謝る代わりに、子どもだけへ謝罪を強要する
- 「あなたのため」と言いながら、再び長く説教する
- お菓子や物だけを渡して話を終える
- 子どもが許すまで何度も謝り、親を慰める役割を負わせる
- 「怒らせたあなたが悪い」と責任をすべて子どもへ向ける
親が罪悪感でいっぱいになると、子どもに「お母さんは悪い親だよね」と確認したくなることがあります。しかし、子どもに親の気持ちを立て直してもらうのではなく、親自身が気持ちを整理することが大切です。
何度も怒ってしまうときは原因への対処も考える
親の負担を減らす方法や、その場で気持ちを落ち着ける方法は、子育てでイライラしたときの対処法で紹介しています。

もし手が出そうで自分だけでは止められない、子どもを傷つけてしまった、心身のつらさが続いているという場合は、一人で抱えず、家族、地域の相談窓口、医療機関などへ早めに相談してください。
子どもに怒ってしまった後のフォローまとめ
子どもに怒ってしまった後は、まず親子が落ち着く時間を作ります。その後、大声や傷つける言葉など、感情的になった部分について具体的に謝りましょう。
必要な注意まで取り消さず、本当に伝えたかった理由と次の行動を短く話し直します。子どもの気持ちを聞き、話が終わったら普段の関わりへ戻ることも大切です。
怒る前の対応も含めて確認したい人は、子育てで怒らない方法7選も参考にしてください。


