桐タンスのデメリットと注意点!着物保管の裏側を解説

桐タンスのデメリットと注意点!着物保管の裏側を解説 暮らし
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着物を保管する方法には多くの選択肢がありますが、特に人気が高いのが「桐たんす」の使用です。

よく「桐たんすを使うことが着物保管の最良の方法だ」という意見を聞くことがあります。

桐たんすは着物にとって最適な収納場所なので、今も多くの人に愛用されています。

しかし、桐たんすを使う際にはメリットだけでなく、デメリットも理解しておくことが重要です。

この記事では、桐たんすを選ぶ際のメリットとデメリットを詳しく解説し、選ぶ際の注意点についてもお話しします。

ぜひ、参考にしてください。

着物の保管に最適な桐たんすの魅力と注意点

適切な保管方法

着物をきれいに長持ちさせるためには適切な保管方法が欠かせません。その中でも桐たんすは、着物保管の定番として多くの支持を受けています。

「桐たんすが着物の保管に最適」と言われることはよくありますが、その理由は何でしょうか。

桐の調湿機能が着物に最適

桐たんすの最大の特徴は、その優れた調湿機能です。桐は湿度を自然に調整し、適度な環境を保つことができます。

この点が、特に湿度管理が重要な着物の保管には不可欠なのです。

しかし、湿度が高すぎるとどうなる? 着物の大敵は湿気です。湿気が多いとカビが生えやすくなり、着物が損傷します。

反対に、湿気が少なすぎる環境も着物には適していません。過度に乾燥すると着物の繊維が傷み、美しい風合いが失われることがあります。

着物のカビ問題とその対策

・湿気が多すぎる問題
「・カビが生える・カビによる変色・虫食いのリスク」

また、最近の気候変動や住宅環境の変化により、室内の湿度管理が難しくなっています。

これが、着物のカビ問題を一層複雑にしています。

乾燥による問題
「 ・光沢の喪失 ・風合いの変化 ・繊維の損傷」

特に近代の住宅では、エアコンやウォークインクローゼットなどが普及し、常に乾燥した空気が供給されることがあります。

これが、着物にとっては逆効果となる場合があります。

桐たんすにおける湿度の理想値

桐たんす内の湿度は、一般的に50%前後を保ちます。

これは、着物が最も良い状態を保つための理想的な湿度とされています。

梅雨時でも湿度を適度に保つことができるので、桐たんすは着物保管に適していると言えます。

桐たんすによる虫食い予防の重要性

桐たんすのもう一つの大きな魅力は、その防虫効果です。

桐たんすが着物保管に最適とされる理由の中で、この点は特に重要です。

虫食い問題と着物

現代では化学繊維の衣類が主流となり、虫食いの問題は減少しています。

しかし、高級な着物の多くは天然繊維製なので、特に絹やウールなどの動物性繊維は、虫にとって魅力的な食べ物です。

つまり、以下のような虫が着物に卵を産み、成虫が衣類を食べることになります。

着物を損傷させる虫たち
「 ・ヒメカツオブシムシ ・ヒメマルカツオブシムシ ・イラガ」など

虫食いが発生すると、衣類に穴が開き、修復不可能な損傷を引き起こすことがあります。

虫食いは拡散しやすく、被害が広がると他の衣類への影響も懸念されます。

桐の独自の香りが虫を遠ざける

上述の虫たちは酸性の香りを好む傾向にありますが、桐たんすはアルカリ性なので、独特の芳香を持っています。

この芳香は、桐が含む以下のような成分によるものです。

桐に含まれる防虫成分
「・セサミン ・パウロニン ・グリメノール」

これらの成分が放つ香りは、虫を寄せ付けず、虫食いから着物を守る効果があります。

特に虫食いに弱い正絹の着物にとって、桐たんすは大変心強い存在です。

桐たんすで実現する完璧な密閉保護

桐たんすは虫害やホコリから着物を守るため、高い密閉性が求められます。

引き出しがしっかりと閉まり、隙間がないことが重要です。

多くの保管オプションは密閉性に欠ける?

通常の布製の箱やダンボールは、しっかりと密閉するには不十分です。これらは使っているうちに隙間ができやすいものです。

また、桐以外の木製箱も使用初期は問題なく閉まるものの、時間と共に形が歪み隙間が生じることがあります。

桐たんすの密閉性が優れている理由

桐たんすは職人による手作りで、桐の素材が持つ自然なねじれや歪みを丁寧に修正して作られます。

そのため、引き出しが隙間なくぴったりと閉じ、長期間使用しても形が崩れることなく、優れた密閉性を維持します。

完全密封で守る!桐たんすの隙間なし保護力

着物を虫やホコリから守るためには、完全に密閉できる収納が必須です。

特に桐たんすはその密閉性で知られています。

密封できる収納は意外に少ない?

市販の布製箱やダンボールは、密封性が十分でないことが多いです。

また、桐以外の木製箱を使用している場合、時間が経つにつれて本体が歪み、隙間が生じることがあります。

桐たんすの密閉技術

桐たんすは、職人が一つ一つ手作業で製作しており、桐の自然な歪みを丹念に修正しています。

このため、桐たんすの引き出しはぴったりと閉まり、隙間が生じにくいです。

長期間使用してもその形状を保ち、着物を外部の影響からしっかりと守り続けることができます。

桐たんすで実現する着物の取り扱いやすさ

着物を長持ちさせるためには、定期的な手入れが不可欠です。その際、収納からの取り出しやすさも大きなポイントとなります。

桐たんすのサイズが着物にぴったり

桐で作られた和ダンス(衣装タンス)は、着物を保管することを前提に設計されています。

そのため、着物を文庫紙(タトウ紙)に包んだまま、スムーズに収納しやすいサイズで製作されているため、着物を平らに入れて保管できます。

浅い引き出しの衣装盆が便利

衣装盆タイプの引き出しは、非常に浅く設計されていて、着物を2枚程度収納するのに適しています。

このタイプは、着物を押し込むことなく収納でき、シワが入りにくいのが特徴です。このため、着物の取り出しや保管が非常にしやすくなっています。

桐たんすの防災性能:火災と水害に強い

桐たんすは、その耐久性で非常に高い評価を受けています。特に火災や水害といった緊急時でも、その性能を発揮します。

熱にも歪みにくい桐たんす

桐は熱に強い素材で、高温になっても歪むことが少ないため、火災時でも形状を保ち、内部の着物が火災から守られるケースが多く報告されています。

水に強い桐の特性

桐たんすは外部が濡れると高い防水作用を発揮します。

その密閉性により、水害時にも中の着物が濡れる被害が少なくなるという報告があります。

日本のように火災や水害が比較的多い国で、桐たんすは防災対策としても非常に信頼されています。

桐たんすの利用上の注意点

桐たんすは着物の保管に最適な選択とされていますが、最新の住宅事情やライフスタイルに必ずしもマッチしない場合もあります。

また、桐たんすの特性を十分に理解していないことから購入後のトラブルや失敗が発生することも増えています。

設置場所に制限がある
桐たんすは調湿性に優れていますが、その能力には限界があります。

例えば、高温多湿の場所や直射日光が強く当たる場所に置くと、内部の温度が上昇し、桐たんす自体が損傷する可能性があります。

また、水回りに近い場所での使用も推奨されません。

スペースを取ることがある
和ダンスは一般的に大きな家具なので、部屋を圧迫することがあります。

桐たんすを設置する際は、壁から最低5センチ程度は離して設置する必要があるため、さらにスペースが必要になります。

高価である
桐たんすは高価です。

これは国産の職人による手作業で製作されるため、多くの時間と技術が投じられることによります。

その価格は、安価な家具と比較するとかなり高いです。

桐たんすにも種類がある
「桐たんすなら何でもOK」とは限りません。

市場には洋服の収納を主目的とした桐たんすも多く、これらは着物の収納には適していない場合があります。

新品や中古を問わず購入する際は、着物収納に適した形状とサイズであることを確認する必要があります。

経年変化が見られる
桐たんすは時間と共に色が変わります。

これは桐の天然素材が持つ特性で、使用していくうちにタンニンと酸素が反応して徐々に色が濃くなっていきます。この変化は避けられません。

桐たんすを選ぶポイント

現代の住宅で着物保管するという視点から、桐たんすを選ぶときのポイントや失敗しないコツをまとめてみました。

サイズは「文庫紙」で確認

引き出し等の大きさの確認は、「着物を畳んだ時の大きさ」ではなく「文庫紙(タトウ紙)が平らに入るか」で考えた方が良いです。

文庫紙の大きさにもバラツキはありますが、引き出し内寸の横幅は最低でも93センチ程度、奥行き37.5センチ程度あることは目安とした方がよいでしょう。

衣装盆または浅い引き出しタイプを選ぶ

着物保管のために桐たんすを選ぶのなら、衣装盆がついているタイプ、または引き出しがごく浅いタイプのものを選びましょう。

引き出しの浅さは7~8センチ程度が目安。ひとつの引き出しに4枚も5枚も着物を詰め込むような深いタイプの引き出しは避けます。

信頼できる工房やメーカー品を

新品購入の場合、価格だけでなく、実績があり信頼のおける工房を選ぶことが一番です。桐たんすは生き物のようなもので、初めての桐の扱いに戸惑う人も少なくありません。

扱い方やメンテナンスについてていねいにレクチャーしてくれて、数十年先でも頼れるようなアフターケアの充実したお店を選ぶことをおすすめします。「売って終わり」のようなお店は避けた方が良いですよ。

古すぎる桐たんすは避ける

数十年前の桐たんすで、メンテナンス状態がわからない…このような品物は、インテリアとしては良いかもしれませんが、着物の収納には不向きです。

いくら歪みにくい桐たんすでも、数十年以上の時間が経てば隙間ができてくることもあります。

中古家具の場合だと品質がわからないので、よほど目利きに自信がある人でないと「微妙な状態のタンス」を手に入れてしまうことも。

どうしても欲しい!というときには、必ず実物に触れて、密閉性の高さ(引き出しの動き)などをよく確認しましょう。

桐箱タイプも視野に入れてみる

たんす設置の場所にお困りの場合、クローゼットの中に入れられる桐製の箱や衣装ケースも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

なおクローゼット内に箱やタンスをはめ込む場合には、部屋にタンスを設置する場合よりは通気性が劣ります。

湿気取りなどの設置もした方が良いので、それも計算に入れながらサイズ感を見ていきましょう。

まとめ

桐たんすは日本の伝統的な着物保管方法として広く知られ、その調湿機能と防虫効果により、着物にとって最適な環境が与えられます。

桐は湿度を自然に調整し、適度な環境を維持することができ、カビや虫食いのリスクを減少させます。

特に桐のアルカリ性の香りは虫を遠ざけ、桐たんすの密閉性は着物をホコリや外部からのダメージから守ります。

しかし、桐たんすの利用には注意が必要です。設置場所には工夫が必要で、直射日光や高湿度の場所を避けるべきです。また、桐たんすは場所を取るので、部屋の広さを考慮する必要があります。

高価なため、購入は慎重に行うべきで、着物収納に適したサイズのものを選ぶことが重要です。

着物の取り出しやすさや、火災・水害への強さも桐たんすの利点ですが、その経年変化も理解しておくべきです。

適切な保管方法を選ぶことで、着物を美しく長持ちさせることができます。

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